藤田 直哉

ちょっと拝見、元気なお店

 先般、総務省がまとめた2014年の家計消費状況調査年報によると、インターネットショッピングの利用が一段と進んだことが明らかになりました。1世帯(2人以上)、1ヵ月当りの利用支出は、前年比12.1%増え、月平均6,505円とか。大型店やチェーン店の進出で、経営が弱体化したと言われて久しい、商店街などの店舗。姿の見えない通販という新たな競合に直面しています。

 

では、こうした環境の中で頑張っているお店、元気なお店は、どんなお店なのでしょうか。その動きからから、どんなことが見えるでしょう。これからの、お店のあるべき方向へのヒントが見えてくるかもしれません。

 頑張っているお店をチェックするリストとして、県が行っている「神奈川県優良小売店舗表彰」で表彰された店を見てみましょう。

独自の経営理念により個性ある店づくりを行い、地域に貢献している店(サービス業を除く、小売店・飲食店)を、県下のすべての商工会議所、商工会で、選び上げ、その代表格を選考にかけ、表彰するもの。選考の過程で、さまざまな方々の目が入っているという点で、お店のチェックに偏りが出ないのではないかと思います。

毎年、今頃の時期に選考が行われ、11月に、県知事、商工会議所連合会会頭・商工会連合会会長の名のもとに表彰されています。従って、本年度分はまだ発表になっておりませんので、2013年度分、2014年度分でチェックしてみましょう。

 両年度とも、それぞれ35店舗が表彰対象に選ばれていますが、際立って目立つのが、各店が取り扱っている商品のオリジナル性の高さです。2013年度では、実に35店中28店(80%)が、2014年度では35店中30店(86%)が、こうしたオリジナル性の強い商品で勝負をかけています。

提供メニューそのものがオリジナル性の高い飲食店はもちろん、菓子・パン・惣菜・雑貨など、商品を自ら製造し、販売している店。さらには、高い専門知識や技能を活かして、加工、デザイン、コーディネート、装飾を加えてオリジナル性を付加、強化している店。製造業と組み、連携によってオリジナル商品を開発している店もあります。  

ちなみに飲食店は、2013年が35店中8店で約1/4の23%、2014年は12店で約1/3の34%、と割合が高まってきています。

 次に目を引くのが、思い切った絞込みです。60~70代のおしゃれな女性、小・中学生、カロリーを気にしている人、ちょっとハイテンションな高所得者など、顧客ターゲットの絞り込み。あるいは、刃物、地酒、紙商品、ガラス小物、寄木造、豆、大漁旗、京都、フランスといった商品領域の絞込みです。

これによって、自分の店の特徴をいっそう鮮明にし、外に対してアピールすべき魅力を高めています。また、限られた経営資源を、ここに集中することで、競争力を強化するという効果も生み出しています。

 もう一つ、うっすらと見えてきているのが、生活の中での消費の領域。2013年度では、35店中19店(54%)、2014年度では35店中14店(40%)が、衣食住の中の「食」の領域です。県全体では、半数程度ですが、商工会議所・商工会の選考の段階では、ほとんどが「食」という地域もあります。

人間すべてが購買ターゲットになりうる、「飲み・食い」にかかわる商品。毎日、必ず何回か口にする消費頻度の高さ。しかも毎日のことだから、未経験の味へのチャレンジ欲求も強い、ということもいえるでしょう。他の商品に比べ消費期限が短いですから、当然、買物する頻度は非常に高い。小規模な事業者がチャレンジするチャンスが、まだまだ隠れている領域といえるでしょう。

 いかがでしょうか。ちょっと垣間見る程度でしたが、元気な店、頑張っている店の輪郭が見えてきたでしょうか。日々の仕事のお役に立てていただければ幸いです。