菅谷 宏

「災害に備えましょう!防災フェア2017」

 掲題のセミナーが、小田原箱根商工会議所防災委員会の主催で開催されました。

日時:平成29年9月20日(水)13時30分~17時 場所:小田原箱根商工会議所大ホール

1部 防災講演会 「熊本地震の教訓」 講演者:牧島かれん氏(前衆議院議員)

2部 パネルディスカッション 「震災後の事業継続に何が必要か」

 進行    倉田雅史氏(小田原箱根商工会議所防災特別委員会 委員長)

 パネリスト 牧島かれん氏(前衆議院議員)

       岡部直樹氏(小田原市防災部副部長)

       中戸川明広氏(株式会社ミクニ 購買本部購買部購買革新グループ係長)

       菅谷宏氏(中小企業診断士 BCP作成アドバイザー)

       米山典行氏(小田原箱根商工会議所防災特別委員会 副委員長)

       石田一夫氏(株式会社小田原百貨店 取締役管理本部長)

 ここでは主に、牧島かれん氏が講演された「熊本地震の教訓」のお話と、小生が話した「BCP策定の重要性ついて」を紹介させて頂きます。

 

「熊本地震の教訓」 講演者:牧島かれん氏

 政府は4月14日夜に発生した熊本地震に対し、発生直後に非常災害対策本部を設置、発災翌日(15日)には、松本文明内閣府副大臣を本部長とする非常災害現地対策本部が、熊本県庁内に設置されました。最大時110名の職員、延べ8,338名が派遣され、支援活動に従事しました。当時内閣府政務官であった牧島かれん氏は、交代で現地対策本部長を務め、自らが体験して得た教訓を、次のようにまとめられました。

 

 なぜ、政治家が非常災害現地対策本部の本部長として必要になるかを、仮設トイレの手配・設置・屎尿処理の例で説明されました。

  • 仮設トイレの調達が必要なら、経済産業省に連絡して調達をする
  • 仮設トイレを熊本へ運送するなら、国土交通省にお願いをする
  • 仮設トイレを設置するなら、厚生労働省にお願いする
  • 屎尿処理をする場合には、環境省へお願いする

仮設トイレだけでも、4つの省庁が関係しており、省庁間同士での調整に任せると時間がかかってしまう。政治家が判断責任をとることで、被災対策のスピードアップをはかった。お話のなかで、幾つかをピックアップさせて頂きました。

 

・プッシュ型物資輸送

 非常災害対策本部長(防災担当大臣)、蒲島熊本県知事、現地対策本部長がテレビ会議で会談し、被災地の要望を待たずに物資を調達・搬送する、いわゆるプッシュ型の物資支援を実施した。県の施設が被災で使用できなかったため、民間の流通センターを活用し、日通・ヤマトなどの協力を得て搬送を行った。なお、プッシュ型物資輸送は東日本大震災を踏まえて、平成24年に災害基本法を改正して位置付けられたもので、法改正後初めての実施です。

 

・輸送支援協定とラストワンマイル

 物資の支援は、国が県の物資拠点へ送り、県はそれを市町村の物資集積所へ運び、最終的に市町村が各避難所等へ届けることが想定されている。しかし、被災の激しい市町村が避難所まで物資を配送するのが困難であることがわかった。市町村は、災害時の物資輸送の支援協定を運輸・宅配業者と締結しておくことが必要だと思われる。

 

・タブレット端末による支援物資配布の一元管理

 現地対策本部は、支援物資を効率よく避難所に配布するため、避難所と行政をインターネットで結ぶ物資供給管理システムの活用を決め、避難所に端末iPad を1千台配布した。

これは、東日本大震災で必要な物資がすぐに届かなかった反省から、日本IBMが開発した情報システム。市町村が物資の在庫を登録し、避難所から注文を出す仕組み。市町村が注文に対応しきれない場合、国や県が物資を発送する。

 これまでは、物資のニーズを国、県、市町村がそれぞれ把握していたため、発注が重なり、避難所に物資が余ってしまうことがあった。新システムでは受注や発送状況が記録され、作業の効率性が高まる。

 

・罹災証明を迅速に発行する

罹災証明書は、仮設住宅への入居や被災者生活再建支援金などの申請に必要な書類で、自治体が行う被害認定を基に発行さる。自治体職員らが家屋の外観を目視で確認する1次調査をして、被災程度を1軒づつ判定する。被災者が納得しない場合は、家屋に立入り、2次調査をすることになる。

 通常の業務であれば申請順で対応することになるが、地域ごとにまとめて実施するとか、写真判定の導入、簡略化した調査票を導入するなど、罹災証明書を迅速に発行する工夫をこらした。

 

・避難所の運営は自治会に任せる

避難所の運営は、被災地の地理や地域の事情に詳しい市町村が担うことになるが、被災市町村にとってその負担はとてつもなく大きい。運営がうまくいかないと職員がいつまでもその対応に追われ、その分災害対応業務や復旧復興は遅れてしまう。従って、避難所の運営は、その地域の自治会の方にお願いすることにした。

 

・安否確認にマイナンバーを活用する

 安否確認の先進事例として徳島県美波町の取組みが紹介された。避難所にある専用読取機にマイナンバーカードを近づけるだけで、名前がデータベースに登録される。各避難所の専用読取機がインターネットで結合されていれば、此方の安否未確認者がどの避難所に避難しているか、又は安否が未だ確認できていないのかが分かる。

 

 最後に、衆議院議員牧島かおり氏は、災害時には企業が持つパワーやノウハウが必要であり、是非、協力して欲しいと話されました。

「BCP策定の重要性について」