為崎 緑

コラボで生み出す地域の活力

1.多様な先との連携による付加価値創出

 高度化・複雑化する社会の中で、街や商店街などの地域活性化において、単体での取組みには限界を感じる場面が多くなってきた。一方、ソーシャルビジネスと呼ばれる分野を始め、地域密着型の活動・事業を行う多様な事業者や団体が次々と登場しつつある。これらを含む多様な先との連携が、地域の活力に結びつく付加価値創出にとって有効な手段の1つとなってきている。次項以下で、そうした事例をいくつか紹介する。

2.被災地と連携したキャラクターグッズ製作

 モトスミ・オズ通り商店街振興組合では、東日本大震災発生以降、安全・安心な街づくり」の取組みの一環として、被災地から神奈川県内に避難してきている児童のアイデアを基に復興応援キャラクターを生み出し、また東北の女性の手仕事によるエコたわし「編んだもんだら」を、仕入れて商店街イベントで販売することを通じ、復興応援を行ってきた。

 これらを基盤に、本年度は、商店街キャラクター「おずっちょ」と、復興応援キャラクター「おずっぺ」のイラストを、「編んだもんだら」の商品企画・製作・販売を行っている宮城県の「さざほざ事業部」に送り、試作を経て、オリジナルのエコたわし製作を依頼した。かねてから検討を図ってきた商店街のキャラクターグッズ製作が、被災地の事業者とのコラボを通じ、「被災地応援+商店街の取組みの認知度向上」という2つの意味を持たせる形で実現に至ったわけである。

3.各事業者の専門性が発揮されたツアー

 足柄地域の魅力発信や、足柄茶の普及を目指す活動を行っている「足柄茶ラボ」が実施した「足柄茶とともに楽しむ“小田原甘味巡りツアー”」は、複数の団体や事業者が連携することで、それぞれの専門性が発揮され、満足度の高いものとなった。

 ツアーは小田原駅に集合して、ガイドの引率・説明によって街なかの商店を巡りつつ、「清閑亭」「なりわい交流館」という歴史的建物の中で足柄茶コンシェルジュによる2回の呈茶を楽しみ、昼食も特注の足柄茶を使った弁当を食べるという内容で構成された。参加費3,000円で募集したところ、29名の参加が得られ、実施後のアンケートでも25名が「満足」と回答する結果となった。単独事業者の開催では、このような結果を得ることは困難であったと想像される。多様な連携が地域の魅力づくりの鍵の1つとなりそうである。