望月建治

小規模基本法・小規模支援法が公布される

  小規模企業振興基本法(小規模基本法)及び「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律(小規模支援法)」が6月20日、第186回通常国会において成立し、6月27日に公布されました。

  全国385万の中小企業、中でもその9割を占める小規模者は、地域の経済や雇用を支える極めて重要な存在ですが、地域経済の低迷といった構造変化に直面しており、売上げや事業者の減少、経営層の高齢化等の課題を抱えています。

 

小規模基本法は、小規模企業の振興に関する施策について、総合的かつ計画的に、そして国、地方公共団体、支援機関等が一丸となって戦略的に実施するため、政府が基本計画を閣議決定し、国会に報告する等の新たな施策体系を構築するものです。

その内容は次のとおりです。

基本原則

 小規模企業について、事業の持続的な発展を図ることを位置づけ、小企業者の円滑かつ着実な事業の運営を適切に支援すること。

基本計画

 5年間の「小規模企業振興基本計画」を策定し、政府として一貫性・継続性のある小規模事業者政策に取り組む姿勢を明確にする。基本計画の策定を明確にする。基本計画の策定あたり小規模事業者の意見を聞くことはもちろん、国会に報告し、毎年その進捗もレビューする。

基本的施策

1 多様な需要に応じた商品・サービスの販路拡大、新事業展開の促進

2 経営資源の有効活用及び個人の能力の発揮の促進

3 地域経済の活性化に資する事業の推進

4 適切な支援体制の整備


 小規模支援法は、半世紀にわたり小規模事業者の経営相談に応じてきた商工会及び商工会議所が、市町村や地域の金融機関等と連携して、小規模事業者の意欲ある取り組みを強力に支援するための体制を整備するものです。商工会等は小規模事業者の事業計画の策定を支援し、その着実なフォローアップを行う「伴走型」の支援を行うことになる。地域ぐるみで小規模事業者を支援する体制は右図に示される。

 小規模企業基本計画法で策定を定められた基本計画では、4つの目標と10の重点施策を柱に構成されている。その内容は次のとおりである。

< 目 標 >

  1. 小規模企業の強みである顔の見える信頼関係をより積極的に活用した需要創造型・掘り起こしとなる「需要を見据えた経営の促進」
  2. 新たな人材が能力を発揮できる多様な働き方の提案、事業廃止の円滑化と事業廃止後の安定、再チャレンジへの環境整備など「新陳代謝の促進」
  3. 地域のブランド化、にぎわい創出に向けた「地域経済に資する事業活動の推進」
  4. 地域で小規模企業の課題を解決し、成果を出す支援体制の構築を目指す「適切な支援体制の整備」

 

<重点施策>

「需要を見据えた経営の促進」

 ①ビジネスプランなどに基づく経営の推進

 ②需要開拓に向けた支援

 ③新事業展開や高付加価値化の支援

 

「新陳代謝の促進」

 ④起業・創業支援

 ⑤事業承継・円滑な事業廃

 ⑥人材の確保・育成

 

「地域経済に資する事業活動の促進」

 ⑦地域経済に波及効果のある事業の推進

 ⑧地域コミュニティを支える事業の促進

 

「支援体制の整備」

 ⑨支援体制の整備として、「よろず支援拠点」の活用と、

  国・地方公共団体など緊密な連携やミラサポを通した施策の共有

 ⑩手続き簡素化・施策情報の提供、インターネット、マスコミなどを
 活用したわかりやすい情報を積極的に提供する

 

因みに、今後の中小企業・小規模企業者政策の柱は次の6項目

1 被災地の中小企業・小規模企業者対策に万全を期す

2 地域の中小企業・小規模事業者の活性化

3 小規模企業者支援策の強化

4 中小企業・小規模企業者のイノベーション推進

5 創業・第二創業等へのきめ細かな支援

6 消費税転嫁対策等