望月 建治

工業統計にみる神奈川県工業の実態

 神奈川県は全国でも有数の工業県で日本の製造業発展に寄与してきた。バランスのとれた業種構造を有し、事業所数、従業者数、製造品出荷額等、付加価値額で全国トップクラス数値を誇っていた。

 しかし、製造業の海外移転、国内移転、また、中小企業の廃業も多くみられ数値は低下の一途をたどっている。

 ただ、総数では低下しているもの、1事業所当たりでみると規模が拡大していることが分かる。

 ここでは、これらの数値を平成25年神奈川県「工業統計調査結果報告」からみてみる。

1 年々減少する事業所数

 平成25年の事業所数は8,433所で、全国28,029所の4.1%である。平成24年と平成25年で比較すると、全国の減少率3.8%に対して、神奈川県は減少率5.4%と上回っている。

 対前年比で減少率5.4%を上回った業種は電子部品(8.4%減)、食料(7.4%減)、生産機器(6.4%減)、業務用機器(6.0%減)、プラスチック(5.5%減)で、減少した業種は23業種である。

 また、4人~9人規模(8.5%減)、20人~29人規模(5.0%減)、100人~199人(4.3%減)、など8つの規模で減少した。一方、200人~299人規模(5.1%増)で増加した。

 

2 6年連続して減少している従業者数、1事業所あたりでは増加している

 平成25年の従業者数は全国7,402千人、神奈川県は355千人で全国の4.8%である。平成24年と平成25年の比較でみると、減少率では全国0.3%であるが、神奈川県は3.2%で全国を上回っている。

 

 対前年比で減少したのは、情報機器((13.8%減)、電気機器(9.2%減)、はん用機器(7.7%減)、プラスチック(6.2%減)、電子部品(5.2%減)など18業種である。一方、対前年比で増加したのは、窯業(5.0%増)、金属製品(0.9%増)、印刷(0.9%増)など6業種である。

 

 次に、1事業所あたりの従業者数をみると、平成15年36.6人から平成25年では42.1人と115.0%の増となっている。

 

3 減少が続く製造品出荷額等、輸送機、石油、化学、食料、生産機器の5業種で全体の61.3%を占める

 平成25年の製造品出荷額等は全国292兆921億円、神奈川県17兆2261億円、全国の5.9%である。平成24年と平成25年の比較でみると、全国では1.2%増に対して神奈川県では1.3%の減である。

 

 業種別でははん用機器(7.9%減)、電気機器(7.2%減)、プラスチック(7.1%減)、情報機器(6.0%減)、業務用機器(6.0%減)など17業種で減少した。一方、石油(7.1%増)、金属製品(5.6%増)、食料(2.4%増)など7業種で増加した。

 

 業種別構成比でみると、輸送機が20.8%で12年連続第1位、次いで石油(16.6%)、化学(10.2%)、食料(8.0%)、生産用機器(5.7%)の順となっており、この上位5業種で全体の61.3%を占めている。

 

4 年々減少する付加価値額、輸送機、化学、食料、情報機器、生産用機器5業種で全体の53.9%を占める

 平成25年の付加価値額は全国90兆1489億円、神奈川県4兆7415億円で全国の5.3%である。平成24年と平成25年の比較でみると、全国では2.0%増に対して神奈川県では2.6%の減である。

 

 業種別では業務用機器(17.9%減)、プラスチック(16.8%減)、電気機器(15.3%減)、はん用機器(12.6%減)、石油(12.1%減)など16業種で減少した。一方、生産用機器(19.7%増)、化学(3.6%増)、輸送機(2.5%増)など8業種で増加した。

 業種別構成比でみると、輸送機(18.5%)、化学(11.1%)、食料(10.6%)、情報機器(7.2%)、生産用機器(6.5%)の順となっており、この上位5業種で全体の53.9%を占めている。