小林 伸行

庭師の情熱と和菓子~支援先での現場から~

 会社を訪問すると、いつも「いろいろな会社があるものだな」と勉強になります。最近で、楽しかったのは川崎市で造園業を営んでいるA社の支援をしたときのこと。

 

社長は日本庭園を得意とし、子どものころから先代の父親について技を磨いてきたそうで、真面目な職人さんでした。技は見て盗めといわれる職人の世界にあって、後継者育成に熱心にとりくみ、今では珍しくなった道具の手入れも自分でするようにとの指導をしています。

 

 ただ、昔ながらの家屋が少なくなったことに伴い、弟子と共に腕をふるう場所も少なくなりました。そこで、行政からの仕事も受注しつつ経営の安定化を図っているのです。後継者として育っているご子息から、「社長はいい仕事を残したい一心で、原価割れをしてしまう」との苦言を呈されたと苦笑い……。

 

 庭園の話しを始めると、とても楽しそうな表情になる社長で、しかも技術を高めるために歴史を学び、お茶を習うほどの力の入れようです。だから、茶室やその庭の作り方を歴史的な背景から話してくれる博学さで、聞いているこちらも、ついつい引き込まれてしまいました。

 「庭園の見方、楽しみ方を、どこかの神社仏閣で教えてください」と頼むと、社長は快く了承してくれました。けいしん神奈川で、ぜひ企画してください!

 近頃は「景気が悪くて」と愚痴を聞くことが多い中で、自分の仕事をこんなに楽しく話す社長にお会いでき、こちらも気持ちよく仕事をさせていただきました。

さて、社長との出会いの後、自分もお茶を習いたいと思ったのですが、そこには大きなハードルが…。実は和菓子が苦手な自分なのです。はぁ~、残念。