このデザインは、江戸時代に「市松模様(いちまつもよう)」として広まったチェッカーデザインだそうです。これを、日本の伝統色である藍色で、粋な日本らしさを描いたデザインは、見る人に落ち着きと日本らしさ、多様性と調和を感じさせてくれます。
また、新しい国立競技場については、思い切って木材を使った案が採用されています。これも、従来の鉄筋コンクリートの発想を変えながら、かつ日本の木材建築の繊細さ、細やかさを演出した、海外ではたぶん思いつかないものだと思います。
木材に対しては、火災に弱い、といった弱点があります。しかし、私が聞いているある企業では「難燃性」の木材を開発しており、耐火テストでは、他の材料と比較しても何ら遜色がないものが開発されているとのことです。
こうしてみると、オリンピック準備に向けた組織体制が云々されている中、デザイン、技術力では、これらを開発された個人の創造力、さらにその背後にある、日本の伝統技術がうまく融合していると感じます。
「温故知新」という言葉がありますが、“古きをたずねて新しきを知る”、つまり、先人の知恵に学ぶことはいつの時代にもうまく活用することが大事です。
さらに古いものでも古いと感じさせずに、多くの人に受け入れられる工夫がされており、自分にもよい参考になったと感じています。