北 明雄

最近思うこと

 混迷の度を増す国際社会。今日においても未だに民族的対立・宗教的対立・経済的対立は絶えることがない。この対立は何に由来するのだろうか。そして、世界平和を実現する根本的解決策はあるのだろうか。


 ひとは、生命の尊厳を見失ったとき共生の論理でなく相手の存在を否定することにより自己の存在を肯定するというエゴが頭をもたげてくるのではないか。私は、生命の尊厳という観点では相手の否定は結果として自己の否定を惹起するという自己矛盾に陥るのではないかと思っています。


 混沌とした国際社会の中にあって日本の置かれている位置を知り、日本はどうあるべきかが問われなければなりません。日本人は今日、人間性の喪失と引き換えに経済的豊かさを手にしたのではないか。私は日本の精神性が低下しつつある今こそ、日本人としてのアイデンティティを再確認する必要があると思います。まず人間がお互いに相手を理解しあう術としてコミュニケーション能力を会得すると同時に、その前提として人間とは何か人間はどう生きるべきかを原点に立ち返って自己に問う必要があると思っています。


 そこで必要となるのは教養という概念ではないかと考えます。教養とは知識と同一ではない。教養とは本来ひとがより人間らしく生きるため総体的かつ基本的な力のことであり、限定された場でしか通用しない力ではなく、いかなる場にあっても自己を見失わないための精神的バックボーンといってもよいのではないかと思っています。 


 ここまで記述してはたと気づきました。自分に似合わない偉そうなことを言ってしまったのではないかと。