NPO法人グループ麦理事長 吉田歌子

 NPO法人ぐるーぷ麦のミッションは若年性認知症への支援です。

 65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」といいます。厚生労働省から若年性認知症の実態が平成21年3月に報告され、全国の若年性認知症者数は3.78万人と推計されています。川崎市の人口は約150万人ですから、約700人の若年性認知症者がいるものと考えられます。川崎市だけの若年性認知症者を顧客とするには規模が小さく、運営で大変ご苦労なさっています。

 

 若年性認知症は、発症する年齢が若ければ若いほど症状が進行するスピードも速くなります。そして現在の医学では症状の進行を遅らせる以外に治療法がないため、早期発見・早期治療がとても重要なのです。

 

 進行を少しでも遅らせる為には、リハビリが大切です。リハビリは脳に刺激を与え、活性化させようとします。音楽を聴いたり歌ったり、昔話を思い出しながら話をしたり、本を声を出して読んだり、簡単な計算をする。またちぎり絵や、オセロゲームなども良い刺激を与えると言われています。ただ、リハビリは、本人の負担にならないよう行う事で効果があり、負担が大きいと逆効果になります。

 

 2010年に、グループ麦は川崎市空き店舗活用創業支援事業活用してコミュティーカフェ 「b-cafe麦」を開設し、若年認知症・軽度認知障害者・独居高齢者・介護家族などが地域で孤立することがないように、認知症の啓発活動・ミニデイ活動交流教室などを実施しています。

 

 地域ぐるみで認知症への理解を深め、介護家族に対しては「b-cafe麦」で相談を常に受けることで精神的な負担の軽減を目指しています。「b-cafe麦」では「脳トレアート塾」「健康麻雀」を実施しており、地域住民の交流の場となっています。2011年には、若年性認知症者への支援を充実させるために、通所介護(介護保険事業)を始めました。

 

 主たる収入は介護保険事業と思われます。介護保険の報酬改定が平成27年4月から実施され、業績に大きな影響を及ぼしています。減収を食い止めるため、サービス内容を組み替え、通所介護事業の受け入れを1日あたり14人にするなど、様々な工夫をして、以前と同じ水準の収入を確保するよう努力しています。

 

 2015年末には、「若年性認知症専門支援モデル構築事業」を「かながわボランタリー活動推進基金21」に応募し、採択されました。協働相手先となる神奈川県高齢社会課の合意を経て、2016年4月1日からスタートし、5年間継続することになっています。若年性認知症者の実情を踏まえた支援モデルを構築して頂けるものと期待されます。(文責:広報)