中小企業者及び創業者セミナー第2弾

 神奈川県信用保証協会、(公財)神奈川産業振興センター、(公社)けいしん神奈川の共催による中小企業経営者及び創業者セミナーの第2弾として、男澤 誠様から、「若き2代目経営者による経営革新体験談」という題で、ご講演を戴きました。以下は、講演における筆者の印象を記しました。

 創業者である父親に乞われて入社してから現在に至るまでの経緯を、なかでも企業文化の違いに悩む、事業承継を決断した時の思い、社長の考えがどのくらい従業員に伝わっているかを、会場の皆さんと交流しながら講演されました。

・(株)スリーハイへ入社

 父親が入院した時に、父親の依頼で2000年に入社。それまでは、大手IT会社(従業員5000人)でプロジェクトを率いていましたが、いきなり後継者含みで入社し、雰囲気の暗さに吃驚したそうです。

 会話が無い、社員の冷たい視線を背中に浴びる、飲み会がまるでお葬式のようだった。雰囲気を変えたいと思っても、創業者と意見が合わない。

 結局、大手IT企業で培った既成概念を捨て、自分の看板を下ろすことからはじめたそうです。

 

・事業承継を決断する

 2008年9月15日のリーマンショックで売上が80%減、メイン顧客が倒産、ワークシェアリングの導入。社風がさらに悪くなるし、社員がやめていく。

 そんな時に、創業者が事業承継の相談をしてきた。正直否だったが、創業者とじっくりと話し合い、なぜ起業したのか思いをとことん聞いた。そこから出てきた言葉は、High-Technology、High-Touch、High-Fashionというビジョン、品質への絶対の拘り。会社名であるスリーハイの意味を初めて知ったそうです。ビジョンこそ共通言語であり、事業承継はビジョンの共有から始めるべきだとお話されました。

世代交代で大事なことはビジョンをしっかり受け継ぎ、男澤 誠氏は2009年に代表取締役に就任しました。

 

・社長の思いは伝わるか?

 社長業に専念し始め、外との付き合い、勉強会、研修会等に参加し、会社にいる時間が少なくなった。ある時、インターンの女子大生に「社長は何処に行っているの、社内に不満が満ち満ちている」と言われ、はっと気づいたそうです。社員との距離を縮める必要があると。

 社長が吸収したことは、社員へフィードバックする、それでも2割しか伝わらない。社長と社員はゴム紐で繋がっており、伸ばしすぎると切れてしまう。伸ばしきらないうちに、フィードバックをしなければいけない。

 

・スリーハイの未来

 「ESクレドの導入」「製造業らしくないことをやりたい」「尖っていたい」という言葉が次々と出てきます。モノづくりに拘りながらも、新しい付加価値を如何にして付け加えようとしているかがうかがえます。

 

 横浜市の地域貢献企業に認定されたことを切掛けにして、2013年には東山田工業団地の防災マップを東山田中学校の生徒と一緒に作成。活動に参加した社員は、PTAやご近所から感謝の言葉を貰う。この言葉が、社員の動機づけになるとのこと。2014年度からは、社員をスムーズに巻き込めるようになったとのお話です。

 動機づけをきちんとすれば、何事につけ、社員が自主的に動くようになる。展示会なども、社員同士が意見をぶつけ合い、何を出すかを自主的に決めているそうです。

 理想な組織とは逆三角形だ。社員がスポットライトを浴びる場を如何に作るかが社長の役割であるとのお話は、非常に印象深かったです。

 スリーハイのホームページを開けると、いきなり社員の顔が飛び込んできます。左から右へ次々と、商品を持った社員の姿が流れていきます。これも、社員がスポットライトを浴びる舞台づくりの一つのようです。

(文責:広報)